2012年3月12日月曜日

中国の女性仏信仰と台湾天上聖母



 《中国の女性仏信仰と台湾天上聖母
 「中国の女性仏信仰と台湾天上聖母

 『変化観音の代表者とその漢訳経の生まれた時期』のリストは

 多数の変化観音はすべて5世紀以後のもの、

 それも中国で観音信仰が盛んになるにつれて増加して行ったものだと一見してわかる。

 それは漢訳経典(実は解説)が増えるに従って、

 さらに観音の功徳(効能と利用法)を説明する具体的な新イメージを考案、

 追加したために、

 どんどん増えていった真相が容易に見てとれる。

 それらは「観世音」を菩薩名として使用する以上、

 卑弥呼とは全然無関係というわけにはいかない。

 他の如来や菩薩が一応「男性」と暗黙のうちに性別が決まっているのに対して、

 観世音は「女性」だとする信仰が有力なのは、

 その光世音や観世音の名と共に卑弥呼の存在が初期の中国宣布時代に、

 民衆に強烈に焼きついたことを物語っている。

 このことは、

 今では観音信仰とは分離してしまっている中国および周辺の信仰対象にも、

 なお色濃く残っている。

 台湾の台北空港に近い龍山寺(ロンサンスウ)などには、

 一見、観音に見える女性像が並んでいるが、

 媽祖(マソ)と呼ばれて別の仏だとされている。

 また台湾全島から港外にも、広く信徒をもつ神仏混交の教団『天道』では、

 観音と同仏だとはしながらも『南海古仏』という名の女(にょ)菩薩だとしている。

 そして明かにこれらと同祖から分かれた亜種だとわかる中国本土の信仰では、

 対象を『娘々(ニヤンニヤン)』と呼び、

 いずれも女性だとして疑わない。

 台湾は『後漢書』や『太平御覧』が注記に引いている

 3世紀の呉人・沈瑩(チンエイ)の『臨海水土誌』が書かれた当時から

 17世紀の明未まで「流求=琉球」と呼ばれていた。

 しかし後半は「小流求」になり、

 沖縄が同時に「大流求」と呼ばれたから、

 沖縄の支配下にあったことがわかる。

 『明史稿』の「鶏龍伝(キールン)」=基隆(キールン)は、

 平地アミ族の記録だが、

 勇を尊び奔馬のようにマラソンして一日百里を走る。

 男女とも髪を丁髷(ちょんまげ)に結い男は裸体で戦闘を好み、

 勝者も死者も共に讃える……」などと古代ギリシャ人+日本人に似た風俗を伝えている。

 媽祖(マソ)像は中国本土からの移民がもって来た信仰で

 天上聖母とも呼ぶ鹿耳門(ルクイーモーン)天后宮のもの。

 この他にも「観音仏祖」と呼ぶ観世音がある。

 しかしそれらの信仰が「まさかこちらから中国へ広まったとは考えられない」と、

 文化はすべて中国から朝鮮半島経由でやってきたと信じて疑わない人がある。

 だがこれには動かない証言が、権威のある記録として残っている。

 前にすでにお話しずみであるが、

 朝鮮半島の三国の正史である『三国史記』の最高責任者であった

 高麗の学者・金富軾(キムプシァ)、高麗が半島を統一(936年)した後まもなく、

 外交官の一員として中国へ使いしたが、

 そのとき中国の官吏が

 「すぐ近くに、昔、貴方の国から伝えられた神様が祭られた廟があります。

  たいそう信仰されていて、いっも参詣人たちで賑わっていますよ」と教えたので、

 暇をみてたずねて行ってみると、それは朝鮮から伝わった宗教ではなくて、

 日本から広まった観世音菩薩の廟だったと書き残している。

 これは当時の中国では高度の教養人だった官吏が、

 日本人と高麗人を同一人種だと信じており、

 高麗人の金富軾(キムプシァ)は、より厳密に国籍にこだわって、

 高麗と日本は別の国だと主張しただけで、どちらも間違いではない。

 それは明治以前の封建時代と現代の日本人観と同じことで、小さく区別するか、

 大まかな人種観でみるかの差でしかない。

 それはともかく、観世音信仰が日本から中国へ広まったことは、

 この記録で疑いの余地を残さないのである。

 ※出典:加治木義博「言語復原史学会・大学講義録22:11~13頁」

 『参考』
 『言語復原史学会:Web』
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 《参考》
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